■モデルにもよりますが蛍光板は1MW/cm2程度の光強度まで耐力があるため、レーザ光をビームサンプラやNDフィルタなどで減光する必要がなく、高出力レーザビームの直接測定が可能。煩わしい減光光学系のセッティングやセンサまでの距離の計算、レンズによる光の蹴られ(NA)、NDフィルタの割れや熱レンズ効果を心配する必要がありません。
■測定器最前面の蛍光板面が測定面となります。減光光学系も不要なため、ワーキングディスタンスが0mmで、NFPからFFPまで測定位置の制約がありません。
■蛍光はインコヒーレント光で、NDフィルタも不要なため、測定プロファイルに本来のレーザにはないスペックルや干渉縞が発生しません。コヒーレンスが高いレーザ光のプロファイル測定でも、NDフィルタやカメラを傾けて、干渉縞を見えにくくなる人為的な操作は必要がありません。
■蛍光板にはレーザ光の偏光依存性がなく、金属製のピンホールやスリットをモータで高速回転させてビームを切って測定する手法に比べ、光を遮るようなエッジがそもそもないので、入射レーザ光の角度や入射角(NA)の影響、依存性、制限が小さいです。NA0.3を超えるようなビームでも正確な測定が可能です。
■カメラによるリアルタイム測定なので、CW、QCWからピコ、ナノ秒のパルス光まで測定できます。最短で50ms間隔でビーム径の変化を記録でき、光学系の熱レンズ効果の時間変化も観測することが出来ます。
■BPF-S400X3では、蛍光像をカメラに3倍に拡大結像することで、Φ50μm以下の微小ビームも1μm以下の精度で高精度に測定することが可能です。一般に市販の微小ビーム用ビームプロファイラのようにレーザ光(測定できるのはビームウェスト径のみ)を直接レンズで拡大して測定する場合においては、お客様でビームウェスト位置と対物レンズの焦点位置を精密に一致させる必要がありますが、S400X3では、蛍光板、カメラ、拡大光学系は精密に調整され固定されており、蛍光板に現れる蛍光像を常に3倍に拡大して測定しているだけなので、レーザ光のビームウェストの位置に関係なく、蛍光板に照射されたビーム断面を正確に拡大、測定します。そのまま移動すればM2測定も可能です。測定の手間だけでなく、再現性でも優れています。
同じビーム(445nm、出力60mW、ビーム径約10μm、共にもちろんNDフィルタなし)を同じ2D寸法で表示した結果。BPF-S400では、CMOSセンサのピクセルサイズ5.3μmで四角く荒いモザイク状だが、BPF-S400X3は実効ピクセルサイズ0.73μmで滑らかな円形形状を表現できます。
■高出力レーザ用でよくあるモータなどの可動部がないため、小型軽量(手のひらサイズ~500g)で高安定、省電力。小さな加工室やポケットにも入り、持ち運びにも便利です。
■蛍光板の高いダメージ閾値を生かし、ビームサンプラガラス(BS)を1枚使用して、kWレーザまで測定レンジを簡単に拡大できます。ピーク強度の高い単パルスレーザの場合にも対応できます。(BPF-SシリーズBSアタッチメントオプション)サンプラ1枚だけでNDフィルタを挿入するスペースも必要ないことから、50mm以下のワーキングディスタンスも可能です。同時に最大NA0.3までの光を取りこぼすこと無く、ビーム形状を正しく測定できます。
■ハード、ソフト共に日本製なので、技術的な対応が的確で早いです。