ビームサンプラの許容傾きについて計算してみました。ガイド光がある場合には目視で合わせられるので、あまり問題になりませんが、ガイド光が出ないレーザの場合、アライメント用ピンホールを用いてもビームサンプラでの折り返し光の蛍光板への入射(アライメント)がなかなか難しい場合があります。特にビームサンプラの固定がレーザの光軸に対して傾いている、あるいは障害物でしっかり固定できない、強度が保てない(たわんでしまう)場合です。最後は根気も必要です。

固定が不十分だったり、プロファイラの保持の強度が弱いとプロファイラの重みで、入射光の入り口側が低くなる方向に傾くことが多いと思います。下図のように5度傾くとピンホールに入れた光が完全に蛍光板から外れてしまいます。図には書いてありませんが、ビームサンプラの裏側の反射光(迷光)が蛍光板に入ってしまう可能性があります。(5度はかなり大きな角度なので、横からだと肉眼でも分かるかもしれませんが、上からだと分からない。)この解析ではサンプラのフロントカバーとして標準のB051(10mmt)を搭載していますが、高出力レーザ用のB056(30mmt)を搭載した場合には、傾きの許容角は半分程度になります

この場合、傾いて低くなっている方向に、ビームサンプラ全体を3mmほど水平に横ずらせば、蛍光板の中央に光が入る計算になります。また、これと90度違う水平方向にも傾く可能性がありますが、その場合も同じように、傾いて低くなっている方向にサンプラを横にずらすと蛍光板に光が入ります。(測定時はピンホールを外す必要があります)